患者様から訴えがあった場合の具体的対応について
医療過誤・医療事件 仙台 弁護士 植松法律事務所
  • 日々、診療に当たっておられる中で、患者様からの苦情のたぐいに接することはままあると思います。

患者様からの訴えは「玉石混淆」です。

医療行為に適切でない点があった場合には、患者様の訴えは「玉」となります。検証して再発防止を講じることで、より良い医療に一歩進むからです。

他方、単なるクレーマー、正当とは言えない苦情であった場合は、「石」といえるでしょう。

ともすれば、まずい点があったときのほうが、事態が明るみになると困るので「石」、単なるクレーマーの場合はうしろ暗いところがないから「玉」、という意識に陥りがちですが、そういった認識ですと、対応を見誤りがちです。

  • また、「医は仁術」であるとはいえ、現在においては経営の観点、コストの観点を欠くことはできません。これは別にお金もうけのためではありません。コストを意識することによって、本来的に医師が行うべき仕事に注力できるのです。

そして、正当とはいえない苦情の場合と、そうでない場合とでは、コストの観点からも対応は全く異なるものとなります。

  • まず、正当な訴えの場合、その患者様の求めておられるポイントがどこにあるのかを適切に把握し、それに応じた誠実な対応を取ることが必要です。当初は非効率とも思える対応でも、それが患者様の怒りを早期に静め、結果的には少ない労力で解決に至ります。

その中で、ある程度、病院の非を認めることもあります。「非を認めると出費を余儀なくされる」と抵抗もあるところかとは思います。しかし、非を認めないためにずるずると紛争解決が長引くと、結果として紛争解決コストが増大します。特に、判決に従って金銭を支払う場合、早期に非を認めていた場合と支払額が変わらない(あるいはむしろ増えている)上に、紛争解決までのコスト(手間暇、時間、お金、労力)が無駄になります。

それよりは、早期に率直に非を認めて事件を解決した上で、そこから得た教訓を次につなげるほうが、はるかに前向きで、かつ、ローコストです。

医師も人間ですから、過ちをゼロにすることは不可能です。しかし、失敗から学ぶ姿勢がなければ、いつまでも進歩がありません。

紛争解決、患者様への対応は弁護士にお任せになり、事件から得たものを再発予防につなげることにお医者様の労力を注ぐことができるよう、お手伝いさせていただきます。

  • 他方、患者様の訴えが正当ではない場合、毅然とした対応により、応じられないことを示す必要があります。

昨今、医療現場だけでなく、あらゆる業界でクレーマー、モンスター●●、といったたぐいが増えております。

これらへの一般的な対応方法は、それらの専門書の示すとおりですが、どれだけ面倒な相手で、請求額が少なくても、不当な請求に対しては支払ってはなりません。患者様が納得せずに粘られた場合、確かに紛争解決コストは増大しますが、屈して支払ったことでその後同種のクレームを誘発すれば、その方がコストが大きくなります。

つまり、「その事件」に限ればコストがかかっても、長い目で見れば、コストを抑えることになります。

この場合は、できるだけお医者様のお手を煩わせないよう、弁護士が紛争解決、患者への対応にあたります。

  • ただ、医療の現場では、純然たるクレーマーはまだ少ないように感じます。

別の項でも述べますが、多くの場合、医療行為としては適切(あるいはやむを得なかった)であったといえても、説明不足があったことを否定できないのです。その場合は、説明不足に対するお詫びとして、少額をお支払いすることで、解決したほうが良い場合もあります。

こちらに詳しく述べます。

次項では、具体的な対応について述べます。